オーストラリア出身のメタルコア/ポストハードコアバンドの2010年発表2nd。
日本では話題どころか「誰それ?」状態だが、れっきとしたメジャーレーベルのRoadrunner Records所属であり、オーストラリアチャートでも6位を獲得したこともあるくらい有名といえば有名なバンド。
ちなみに、プロデューサーはグラミーにノミネートもされたことのあるMachineが担当。
オーストラリアのメタルコアと言えばIKTPQやParkway Drive等のガチムチ系メタルコアというかハードコア強めとかメロデスっぽさの入ったメタルコアが特徴的だが、このバンドの場合はメタルコアとは言ってもそれらに比べれば若干軽めのサウンドで、ポストハードコアとかスクリーモな方面に寄っている。
若干の叙情性は見られるものの基本は気持ち良い疾走感を前面に押し出した軽めなメタルコア路線。最近のスクリーモバンドに見られる"重く・激しく"といった方向性とも言える。ただ、1stに比べればよりメタリックな部分を押し出したメタルコアになったと思う。曲によってはメタルというよりはハードロックな感覚を前面に出したものもあるので、そうした部分で言ってもオーストラリア産にしては独特な立ち位置なのかな。
楽曲で見ると、メタルコア系のタテノリビートを主体にしたものも見られるが、メロディを前面に押し出した疾走曲が中心なので、バンドの本質としてはメロディを聴かせるタイプの楽曲がメインなのだろうと思える。こんな感じなので、特に強烈なブレイクダウンがあるわけでもなく、ブルータルな感覚は皆無。
軽めなメタルコアに聴こえるのはヴォーカルの部分も大きく、スクリームとクリーンはほぼ半々程度の比重…もしかしたらクリーンの方が比重は高いんじゃないかというくらいスクリーモ寄りのサウンド。
2012年現在メンバーにシンセ奏者はいないがこのアルバム発表当時はシンセ奏者を含む6人編成で、ツインギターにBassがクリーンvoを兼ねて、スクリームは専属のヴォーカリストがとっている状態だった。
3曲目の"H.M.A.S Lookback"
当時、この曲をえらくリピートした気が…。メタルコアというよりスクリーモ。全体的にも切ない感じで進行するんだけど、サビのメロディはより悲しげに響いてくるんだよね。個人的にこういう曲調に弱い。
6曲目の"Dr. Thunder"
アルバム中ではメタルコアっぽさを前面に押し出した楽曲の一つ。このバンドのサビは大体こうしたゆるやかなテンポで若干の切なさを帯びたものが多いんだよね。この曲もそう。前半はメタルコア的に疾走するのに、後半はずっとゆるやかなままで進行。特に自分的には中盤から後半の流れが好きだな。
8曲目の"No Sleep 'Till Brisbane"
メロディック・メタルコアというこのバンドらしさが十分に発揮されてますね。スクリームとクリーンが掛け合う展開というのもこのバンドの持ち味。サビがキャッチーすぎて困るくらいメロディアス。
AlesanaとかBurden Of A Dayとか、その辺りがすきならいけるんじゃないかな。
日本では全くの無名だけどかなり良質な楽曲を生み出すバンドなので、日本でもデビューさせるべきだと思うんだけどね。ロードランナー所属なんだし。それなりに需要があると思うんだけどなぁ。