Momentum/Close To Home

アメリカ出身のポストハードコア/スクリーモバンドの2012年リリース2ndアルバム。
一応メジャーデビューとしては2ndだが、自主制作盤で2006年にアルバムをリリースしているらしい。レーベルはメジャー1stと同じくArtery Recordings。本作ではリードヴォーカリストのNick Stiensが脱退して新ヴォーカリストが加入している。また、メジャーデビュー直前に病死したベーシストに変わる新たなベーシストは本作でも加入しておらず、ライブなどでは相変わらずサポートメンバーが担当している状態。

アルバム全体的に見ればノーマルvo比率も高めでオルタネイティブ的なバッキングが随所に見られるのでポストハードコアスタイル。メロディ的にもエモいとかメランコリックではなく、時折叙情性は見せるもののどことなく爽やかな雰囲気の感じる伸びやかなもの。ポジティブ感があると言ってもいいかな。一部でポップパンクと呼ばれているのも、そうした爽快なメロディを載せて疾走するスタイルが青春パンクっぽいのかも。
そうした爽快系の要素だけではなく、ゴリゴリと刻むリズム系やリフワークを持ったメタルコアスタイルも取り入れているのがこのバンドの特徴とも言える。スクリームvoをフューチャーしたヘヴィでアグレッシブなパートは、このバンドがポストハードコアスタイルをメインとしていることを忘れるほどの激しさを見せたりもする。落差はそれほど激しくないものの、曲によってはブレイクダウンも導入している。
こうした爽快な要素と激しい要素が混在しているのが特徴だが、2曲目の"Don't Waste Your Breath"のようにそれらの要素が場面が切り替わるように交互に現れることもあれば、7曲目"Sleepless in Cincinnati"で見られるようなメタルコア的なバッキングに伸びやかなメロディを載せていたり、"Hanging Onto Nothing"ではいかにもポストハードコア的なメロディアスなパートにスクリームが乱入したりと多彩な表現を見せる。
欲張りなほどに様々な要素が混在しているにも関わらず、それらの切り替えや融合の上手さが際立っているなと思う。唐突感や違和感は感じないし、すんなりと耳に入ってくる。メタルコア的な激しいパートはあちこちで見られるが、適度にポップ感やキャッチーさがあるメロディをふんだんに使っているので聴きやすさは抜群。作曲力はもちろんだが、アレンジ能力や楽曲の構築力に特に秀でたバンドだと感じる。

A Day To Remember、Close Your Eyesあたりが好きなら買いの一枚だろう。
もちろんポストハードコア好きにもオススメの1枚。

 

Momentum - Close To Home

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