To Plant A Seed/We Came As Romans

アメリカのメタルコアバンドが2009年にリリースしたデビュー・アルバム。

今やEqual Vision RecordsをChiodosと共に支える同社の看板バンドと言っていい存在。

この1stは全米175位を記録し、2011発売の2ndは21位となった。

すでに2ndについてはレビュー済です → Understanding What We've Grown To Be

 

確かにメタルコアっちゃあメタルコアなんだが、もうそんな枠組みを超えた音楽性を確立した存在。シンセのフューチャー率が異様に高いのでトランスコア系と思われがちではあるけれど、エレクトロコアの一種…もっと細かくカテゴライズするなら"メランコリック・エレクトロコア"と表現していいのかもしれない。

ベースは確かにオーソドックスなメタルコアの方法論に沿ったもの。強力なモッシュパートもあるし、メタリックなギターリフも駆使されているし、激しさも重さもシッカリとある。こうした芯の部分が固まっているからこそ、その上で展開されるバンドの特徴とも言うべきシンセの表現が活きているんだと思う。

一般的に語られるエレクトロコア的な楽曲も確かにあるが、シンセもギターもヴォーカルさえも全てがメランコリックな方向へ突っ走っているのが最大の魅力。切なさとか哀しさとは儚さとか、このバンドはブレずに全楽曲で(ついでに言うなら2ndも含めて)それを表現している。その要となっているのがシンセ。シンフォニックであったりシアトリカルであったり、時にはメタルコアであるにも関わらず耽美さを醸しだしたり、もはや音楽的ベースがメタルコアであることを忘れてしまいそうな美しさが楽曲全体を覆っている。

こうしたサウンドなので、曲展開はドラマチックという一言に尽きる。静動・緩急が目まぐるしく変化していき、そこに低音グロウルとハイトーンのノーマルvoが絡んでドラマ性を更に盛り上げる感じ。

ハイトーンのノーマルvoは決して上手いとは思わないが曲には完全にマッチしていると思う。低音のグロウルに関しては中高音のシャウトまで声が伸びていくので上手いと思うし俺は大好きな声質だ。

 

2曲目の"Broken Statues"

1曲目を聴いた時には新手のエレクトロコアという感覚だったが、この曲を聴いて腰が抜けた。

メランコリックなシンセのイントロからいきなり叙情メタルコアが炸裂!

イントロだけかと思ったら、その後の展開もドラマチックで驚いた。唐突感も無くアグレッシブな部分とメランコリックな部分をしっかりと結合。始まりから終わりまで、ドラマ性の追求の仕方がハンパない。

 

"Roads That Don't End And Views That Never Cease"

バンドとしては珍しくメタルコア方面を前面に立てた楽曲…かと思いきや、ノーマルvoのパートで一転。やっぱりWCAR節はここでも健在。サビメロ的にはこの曲がアルバム最強かもしれない破壊力。

 

本編ラストの"An Ever-Growing Wonder"

最後の最後にこの曲を持ってくるのは、もはや反則と言っていい叙情メタルコアの名曲!

まぁ、メタルコアというか、あまりにもノーマルvo率が高いのでスクリーモって感じかも。

切なさの表現力が凄すぎる。締め括りにこれだけの強力楽曲を配置する新人バンドって…恐ろしい…

ドラマ性は(他の曲に比べれば)低い方だけど、叙情性を伴って疾走していくパートと静かに聴かせるパートの起伏を効果的に配置して泣ける。エンディングへ向かうほどにどんどん曲が美しく変化していく。

 

こうしたエレクトロコア的バンドも増えてきているが、ここまで徹底したバンドはいない。

現時点でアルバム2枚であるが、メタルコア界にキッチリとその名を刻み込んだバンドと言っても全く誇張ではないと思う。ドラマ性の追求という部分ではメタルコア界で独走状態で並び立つ者は無い。

これは聴いておけ! …というほどの名盤。

 

To Plant a Seed - We Came As Romans

現在ヘビロテ中!

Twitteやってます!