米国産メタルコアバンドの2010年リリース1stフル。
メタルコアといいながら、実はグロウルを主体としたデスコアスタイルのブルータルさを前面に押し出したサウンドがこのバンドの特徴。クリーンvoパートも存在はするが、ほぼグロウルといっていい感じ。
音楽性はデスコア+プログレッシブにメタルコア少々というもので、アグレッシブに疾走したかと思えば強烈なブレイクダウンで落とすという起伏の激しい展開のなかに、プログレッシブ的なリフワークや哀愁味のあるメロディを絡めて、時折見せるクリーンvoパートをアクセントに使うというハイブリット・メタル。
ギターはツイン編成で、リフワークに関してはメタルコア系に見られる刻むようなリフではなくメロディック・デスメタルっぽい叙情性も見られる。リードの方はメロディアスなギターソロなどで存在感を見せてはいるが、全体的には多彩なリフワークの方がこのバンドの特徴でもあり魅力でもあろうと思う。
グロウルに関しては声質としては若干低音なのでブルータルっぽく感じるが、このヴォーカリストの場合、低音といっても咆哮には程遠く、上も中音域までしか伸びないのでそこは残念なポイントでもある。
"Unstoppable"
全体を通してデスコア的な激しさだし、特にブレイクダウンは強烈。だけど、いきなり軽く疾走してクリーンvoパートに突入する展開はクセになる。後半はギター弾きまくりのままエンディングを迎える。
"Don't Cry To Me"
多彩なリフワークは特徴的だけど、ほぼ全編でデスコアスタイルの楽曲。途中でクリーンvoパートが乱入してくるけど、あまり印象に残らない(笑。俺的には、最後までプログレデスコアで攻めて欲しかった。
"Sink Or Swim"
これもデスコア…というか、全曲基本デスコアなんだけどね。クリーンvoを投入するなら、こういう哀愁味溢れる感じで使った方が効果的だと思う。クリーンvoパート後のちょっとした疾走が好きなところかな。
作曲センスもなかなかのものだと思うし、ギターのリフワークも多彩で良く練られていると思う。ただ、プログレッシブなわりにはドラムパターンは単純すぎるのが欠点。それと、voの声域の狭さも…かな。
At The Throne Of Judgementに少しだけクリーンvoを投入した感じの音楽性なので、デスコア的なブルータルさにメロディを注入したサウンドが好みなら結構イケるかもしれない。