カリフォルニア出身のメタルコアバンドの2011年リリース1stフル。
所属がRed Cord Recordsということでどんなバンドを抱えてるレーベルかと調べてみたら、2008年発足の新興レーベルらしく、大部分は知らないバンドでしたがBloodline Severedも所属と知ってビックリ。
メタルコアなんですけどね、確かに。すごーく古臭いメタルコアですね、これ(笑。
2011年リリースでありながら、今風な要素はガン無視の完全排除。というか、メタルコアのリズム系にメロデスのメロディをブチ込んだようなクサメロ全面コーティング済という時代錯誤系サウンド。所属レーベルを調べておいて良かったけど、同レーベルのBloodline Severedもこのバンドには及ばないがクサメロ投入型だったし、このレーベルってこうした音楽性のバンドを意図的に狙って獲得してるんだろうか?
As I Lay DyingとかHaste The Dayとか、あの時代に一世を風靡したバンドを思い浮かべるとこのバンドのサウンドになるわけだけど、今や誰も見向きもしない。新人でこの音楽性って…。俺みたいなのは大好物なサウンドですけどね。だからこうしてレビューしてる。でも、間違いなく売れない。時代が悪い。
音楽性は圧巻の一言。アホかと言いたくなるくらいテクニカルでクサいメロディを投入している。
リフ系は変態的とまではいかないけれどテクニカルでありながらメタリックなフレーズを刻んで、リードに至っては「今時恥ずかしくないの?」と問いたくなるような様式美メロディをバリバリに弾きまくる。どう考えてもメロデス方面に進んだほうが納得の音楽性なのに、方法論はメタルコアを踏襲するという意味不明さ。実際、このサウンドの中にここまで強力なブレイクダウンを投入することに何の意味があるのか、と。
"A Pattern In Pain"
もう、この路線でずっと突き進んで下さい。ホント、真剣にお願いします。
最初っからこうしてブレイクダウンパートなんて排除しておけばいいんだよね。このバンドの音楽性からすれば余計だよ。新世代スラッシュというかモダンメロデスというか、ステキすぎて涙が出てくる。
中盤にクソ長いギターソロパートがあって、どこの様式美メタルバンドだよ!とか思う。
これでも褒めてるんですけどね。大好きだもん。あまりにも美味しすぎて笑えるぐらい。
"From One End Of The Sky To The Other"
AILD型の古臭いメタルコアをベースにやたらクサいメタリックなメロディを載せた疾走曲。中盤でブレイクダウンとは違う落とすパートがある分、通常のブレイクダウンパートが余計に無駄に思える。無ければ神曲クラスだったかもしれない。それぐらい疾走メロディは秀逸。ギターソロの挿入も理に適っていていいと思う。
As I Lay DyingをベースにIn FlamesやDark Tranquillity的メロデスの味わいをフューチャーした異色メタルコアバンド。すでに解散しているが、Bloodstained Memoryと同等の精神性も見られる快作。
古き良き時代のメタルコアを愛するファンは聴いてソンはしないアルバムだと思いますよ。