アメリカ出身のスクリーモ/ポストハードコアバンドの2011年リリース2ndアルバム。
Attack Attack!が2008年に1stアルバムを発表した際のスクリームヴォーカリストで、その1stリリース直後に同バンドを脱退してこのバンドを立ち上げた。レーベルはAttack Attack!と同じくRise Records。
1stリリースが2010年3月、直後にex-Attack Attack!のスクリーマーAustin Carlileが脱退しex-Sky Eats AirplaneのJerry Roushが加入するという衝撃的な事件が発生。…と思ったら、Jerry Roushは半年も経たずに脱退して、2011年早々にAustin Carlileが再加入するという「何してんだよ!?」的な騒動。
そんなことがありつつ、前作から1年ちょい…Austin Carlileの再加入発表から半年も経ていない短いスパンでのリリースとなった本作。スクリーモとしての基本姿勢は変わらないのだが、前作よりも若干アグレッシブというか重く・激しく変化したかな、というのが印象。リフ系もメタリック感が増強されて攻撃性を感じるものになったのと、Austin
Carlileのスクリームが1stよりアグレッシブに響いてくるようになったと思う。
メロディアスさはそのままにアグレッシブさを増強した疾走パートとヘヴィで攻撃性のあるミドルパートで進行し、透明感もありメロウかつエモーショナルさが印象的なクリーンvoパートで落とすという音楽性。前作より強まったアグレッシブさのおかげで元々あったエモーショナルさがより際立つ結果となり、それが更にスクリームvoパートの力強さをも効果的に盛り上げているという好循環となって現れている。
前作のレビューでは"ただ怒鳴ってるだけと同じ"と酷評したスクリームも、アグレッシブ化した本作ではサウンドに上手く馴染んでいると思う。メロディアスなパートでのスクリームもしっかりとメロディを追えるようになったのも好印象。ただ、ちょっとヒステリック系の声質なので好き嫌いは分かれると思うけど。
特に良いなと思ったのは"O.G. Loko"、"Let Live"、"Ohioisonfire"あたりで、スクリームパートのアグレッシブさとクリーンvoパートの透明感の落差が強烈で印象的だ。メタルコアっぽいブレイクダウンを絡めてもいるがクドくはなく、サウンド的なバランスも非常に良いと思う。ほぼスクリームで進む"Ben Threw"や"I'm A
Monster"などはバンドの方向性…クリーンvo兼ギタリストが脱退しているので…に影響を与えそう。
2012年にはこのアルバムの再発として4曲を追加したDeluxe
Reissue盤が発売されたのだが、その追加された4曲(ただし、1曲はイントロに相当するインストなので実質は3曲)を聴くところでは、アグレッシブさとヘヴィさが増強されて強靭なサウンドに変化している。クリーンvoを兼ねていたギタリストが脱退した影響なのか、クリーンvo無しでスクリームのみなのでもはやスクリーモとは呼べない。同じく、バッキングヴォーカルを兼ねていたベーシストも脱退しており、現在はツアーメンバーとしてベース兼クリーンvoのメンバーが参加しているが正式なメンバーではない。こうした状況から、もしかしたら新たなるOf
Mice & Menは重く・激しく路線を変更し、完全スクリームメインのメタルコアサウンドを引っさげて戻ってくるのかも…。
…あれ? それって、Attack Attack!と同じ変化を辿ってないか?
以上、通常盤(2011年リリース盤)とリイシュー(2012年リリース盤)の音源。
以下、リイシュー盤に追加収録された楽曲。