ベラルーシ出身メロディック・ハードコア/メタルコアバンドの2012年リリース1stフル。
同郷にはAspirin Roseという超絶クオリティを誇るスクリーモバンドが存在するが、このバンドもそれに負けず劣らずのハイレベルなバンド。どんだけレベル高いんだよ、ベラルーシのメタルコア・シーンは!?…というくらい。てか、このレベルでインディーズというのが東欧ならではの厳しさを激しく感じてしまう。
Asprin Roseがスクリーモ路線で攻めていたのとは対照的に、こちらはメロディックなハードコア路線をとっている。サウンド的には相当にハードだな、と感じた。メンバーがツインギターを含む5人編成で、シンセは無しというシンプルさ。それがバンドの音楽性に非常に良い効果をもたらしているように思う。
オーソドックスなメロディック・ハードコアで奇を衒った部分は無くシンプル&ストレートな作風だが、ツインギターという編成を最大限に発揮してメタリックで重めなリフとピロピロとシューゲイザーっぽいギターメロディを特徴としている。リフの部分ではプログレッシブ的でテクニカルに刻んでいる場面もあるし、リード面ではクラシカルなフレーズを持ってきたりテクニカルに攻めたりで多彩&多才な印象を受ける。
そうしたテクニカルな部分も難解であったりノリの良さを減退させるまで投入したりはせずに、楽曲の構成面で破綻の無い形で効果的に盛り込んでいる。バンドとしてのセンスの良さが感じられる部分でもある。
シンセは無くともツインギターが弾きまくってるので、音圧は非常に分厚いサウンドとなっている。
ヴォーカルは一人でそれはスクリームのことなのだろうが、他の楽器プレイヤーの誰かがノーマルvoを兼任していると思われる。最近のメタルコア路線の中ではノーマルvoの比率は非常に低く、ほぼスクリームで進行させてアクセント的にノーマルvoを使っている感じだ。サウンド的にはほとんどハードコアの域なのでノーマルvoの導入は賛否があるだろうけど、個人的には楽曲が一本調子になるのを防いでいるように思う。
The Time Remembers Its' Heroes
いきなりクサメロをぶちかましてノーマルvo投入したかと思えば、その後はモダンメロデスっぽく進行させるのがステキすぎる。若干変拍子も使っていたり、アレンジ面でもセンスの良さが伺える。
ノーマルvoの出番は最初と最後だけ。そこらへんもバンドの男らしさが感じられる。
Road To Victory
テクニカルなメロディック・デスメタルをやってしまった楽曲。
基本的に変拍子が多用されていてノリ的には微妙だけど、ピロったギターがいい味を出してるのと、気怠そうなノーマルvoが面白い形で導入されているのが印象的。中盤あたりからのリードギターに注目!
Sand Clocks
この曲は前半部分と後半部分で明らかに曲調が変化する。
前半はテクニカルなハードコア/モダンメロデスっぽさを持ってガリゴリと突き進むのに、中盤でいきなりスクリーモっぽく転調。実は前半部分よりこの後半部分のメロディが大好きだったりする。というかさ、どう考えても違う曲を合体させたような感じなので、後半部分のメロディを使って曲を仕上げてほしかったな。
メロディック・ハードコアとしての質は非常に高い。アルバム全曲が疾走曲でテンションが高めなのはハードコア・パンクからの影響も感じたりする。これでインディーズなのだから恐ろしいというか悲しいというか、ゴミみたいなバンドをデビューさせるくらいならこのバンドに注目してくれ!って感じだよ。
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