米国産プログレッシブ・メタルコアバンドの2008年リリース2ndアルバム。
本作からSumerian Records所属となり、2010年リリースの3rdも同レーベルから発売された。
プログレッシブ・メタルコアを自称している通りのサウンドだが、基本的な部分ではテクニカル系のメタルコアと言っていい作風。ただ、テクニカル一辺倒というわけではなく相当にメロディアス。このバンドの後進にあたるThis Or The ApocalypseやWithin The Ruinsは、このバンドの影響下にあるのは間違いない。
ただ、後進バンドほど変態的な部分を持っているわけではなく、リズム系やリフワークがプログレッシブさの大部分を占めていて、時折アブノーマルさを持ったメロディを投入するといった感じだ。
そういう意味では、ちょっと変わったメタルコア・バンドの認識でよいかと思う。
すでに3rdも発売されているが、プログレッシブさで言えば本作の方が上。メロディアスさでは3rdの方が遥かに上だと思う。おそらく、2ndと3rdの間での変化にファンも面を食らっているのではないか。
ギターはツイン編成で、リード・サイド共に相当にテクニカル。リズムギターの刻むゴリゴリとしたメタリックなリフと、リードの奏でる叙情的なフレーズが程よい変態さ加減を醸し出している。
本作をもってvoが脱退。3rdでは新voが加入している。
Berzerker
1曲目から変態リフ全開でテンション高めに突っ走る!
変拍子好きとしては少々物足りない部分はあるけど、楽曲のノリを壊さない程度に変拍子を盛り込んでメロディアスに仕上げているのは相当なセンスの高さ。強烈なブレイクダウンもポイント高いね。
Cursing Akenaten
アラビアン・メタルコアっすか?(笑
前半部分はヘヴィに進行させて、中盤あたりからそのメロディのまま疾走。カッコイイです。ほとんどインストと言ってもいい感じで、4分くらいの楽曲でvoが入ってる部分は1分あるかどうかというくらい。
Ometh
これだけの変拍子リフを絡めていてもノリの良さが失われてないのは凄い。
ゴリゴリのメタルコア楽曲なのに、ところどころで爽やかなメロディを挿入しているセンスも凄い。
後半のピロったギターによる爽快なソロも聴きどころだろう。
プログレッシブ/テクニカル・メタルコアという括りで見たら、3rdよりも本作の方が遥かに上だ。逆に、メロディック・メタルコアとしての面では3rdの方が上。ほとんど違うバンドのような作風なので、2ndと3rdでは好みによって買い分ける必要があると思う。ただ、クオリティ面ではどちらも甲乙つけ難い。
まぁ、この2nd路線をそのまま推し進めてほしかったなぁ、というのが正直なところ。