米国産ピコリーモバンドの2012年リリースEP。デビュー作です。
InVogue所属でプロデュースはCameron Mizell(Jamie's Elsewhere等)だし、ブレイクしますね。
バンド名はどうやらMy Chemical Romanceの曲名に由来するみたいですが、音楽性はまったく別物です。単純にその語感と意味から名付けたような気もするので、MCRの曲名とかぶっただけとかかな?
いわゆるエレクトロコアの一種、日本で知られるところのピコリーモバンドですね。
特にピコリーモ以上でも以下でもないんですが、ピコリーモの中にあっては軽めの路線ではなく若干重めの方へ振っているのが特徴。絶えずピコピコキラキラと自己主張しているわけではなく前面へ出たり後ろへ引いたりしているので、その分ギターのメタリックなフレーズもいい感じで響いてきます。これはプロデュースの勝利と言っていいのか、バンド自体がガチピコ路線までは望んでいないのかは不明ですけどね。
個人的には、ガチピコな路線にまでは踏み込まずに適度にシンセをフューチャーしたスクリーモ路線を狙っているのかな、とは思います。なぜなら、このバンド、正式なkey奏者が存在しないんですよね。PVを見るとKey奏者はいるっぽいですがほとんど(というか一瞬しか)映りませんし、Facebookページにもkey奏者の名は記載されていないんですよね。ガチピコ路線進むならkey奏者はソッコーで探すと思うんだけど。
そんなわけで、ピコリーモとはいいつつもかなりメタリックな感覚が強いのは個人的にドンと来い!でステキなわけです。エレクトロ感とメタリック感のバランスにバンドのセンスを感じますね。
voは専任者がスクリームとクリーンの両方を操りますが、実はギターの方もスクリームを使います。専任の人とギターの人のスクリーム、声質が非常に似ているので判別が難しいですけど。専任は若干低音で、ギターの方は若干高音かなというくらい。このvoが入り乱れた楽曲が出てくると楽しそうなんだけどな。
"Labyrinth"
1曲目がコレなんですけど、ピコピコしたイントロで普通にピコリーモだと思ったら、けっこうメタルっぽさもあってビックリした。この曲も他の曲もそうだけど、絶えず前面でシンセ鳴ってる曲っていうのは無くて、ギター前面というのが基本で、要所をシンセが締めるという感じ。バランスがホントにいいよね。
"Starting Over"
かなりメタリックな方向性を強調したスクリーモ楽曲。
最初は重めにスタートするけど、基本はノリの良い疾走曲。圧倒的にノーマルvo比率が高いね。
シンセは後方に引いていてギターが前面に立っている…というスタイルを見ると、アルバム発表時はガチピコではなくこうしたシンセフューチャー型スクリーモ方面に進むのかなと思わなくもない。
ギターソロも搭載しちゃうくらいだから、メタルっぽさも相当気合が入ってる。
"Bob Cox Lives In Ohio"
こういう爽快なスクリーモもいいよな…とか思ったらブレイクダウンが入って焦った。
個人的にこうした曲やバンドのカラーとしてブレイクダウンが必要かどうかには疑問が多々あるけど、基本は爽快に疾走してるので好きです。ホント、ブレイクダウン必要無いので外してリメイクして下さい。
今現在のスクリーモシーンど真ん中のサウンド。ピコリーモ/エレクトロコア好きなら買って間違いの無い好盤です。ブレイクの予感はヒシヒシと感じるので、アルバム発売までに聴いておくことを勧めます。