オーストラリアのメタルコアバンド、2006年発売2ndアルバム。
発売直後ならまだしも、この超名盤に対して今更何を語ればいいというのか…と思いながらこのレビューを読んでいる方、正直自分でもそう思います(笑。もはや語り尽くされた感もあり、また自分ごときがレビューするのは恐れ多いこの名盤。しかし、今年2012年に再結成すると聞いては黙っちゃおれぬ…ということで、IKTPQ復活を記念してレビューをしてみようと思います。
そうなのです。このバンド、2008年に一度解散しているのです。解散の原因となったのはヴォーカリストの脱退みたいで、今回の再結成メンバーにそのヴォーカリストは含まれていません。
解散前のスタジオアルバムとしてはこのアルバムが最終作。その完成度は圧倒的で、メタルコアとは名ばかり、その音楽性はスウェディッシュ・メロディックデスメタルの血統を多く引いたメタルコアという感じ。Soilworkの5th"Figure Number Five"を聴いてなければこうした音楽性には辿り着かなかっただろうと思える。そこにメタルコア/ハードコア系のブレイクダウンやモッシュパートを持ち込んで完成されたのがこのバンド。メロデスからメタルコアへ入った俺的にはこれ以上ない大好物なサウンド。実際、現在に至るまでメタルコア系のアルバムで俺的にこれを超えると思える作品には出会っていない。もしかしたら、今後も出てこないかもしれない究極作品。
スクリームを使った突進/疾走パートは、メタルコア/ハードコアに見られるタテノリ系ではなくスウェディッシュ・メロディックデスメタル的なリフ回しと疾走するメロディを駆使してアグレッシブの展開するパターン。サビは基本コーラスを伴ったクリーンvoでSoilworkを意識したかのような爽快で伸びやかなもの。叙情的なフレーズもあちこちに散りばめられており、その辺りもメロディックデスメタル的と言えるだろう。もちろん、強烈なブレイクダウンも搭載。
ヴォーカル…特にスクリームはデス声としか呼べない極悪ヴォイスで、このヴォーカルが最高だったんだけど。再結成メンバーにはいないんだよね。戻ってこいよーー(泣)
まずは、何といっても外せないのが2曲目の”Say Goodbye"
イントロはIn Flamesそのものです。サビはSoilworkなんですけどね(笑
この曲のポイントはスクリームのブリッジからクリーンvoのサビにかけてですね。voのデスっぽさがイイ味出してます。全体的にモダンメロデス的。ブレイクダウン…なのかこれ?ただ楽曲に起伏を持たせるためのテンポダウンのような気がしないでもない。それがいいんだけど。
そして、2曲目と甲乙つけがたい名曲の5曲目"The Deepest Sleep"
これもイントロはIn Flamesそのまんま(笑。よっぽど好きなんだなぁ。
スクリームパートのリフ回しやメロディ、それに展開は中期In Flamesをもう少しメタルコアっぽくした感じ。サビは完全にSoilworkと言っていいと思う。オーストラリアのバンドなのに、北欧スタイルでやってる。で、中盤にブレイクダウン的なものは存在するけど、これもブレイクダウンと言っていいのかどうか…。ラストはギターソロで締める展開が大好きなポイント。
7曲目の"Headfirst From A Hangman's Noose"
このバンドにしては真っ当にメタルコアをやってると言える楽曲。
まぁ、メタルコアと言えばそうなんですけど、やはりメロデス的な血筋は隠せない。叙情的なフレーズをサラリと使っちゃうのがいいんだよね。スクリームをコーラスに使ったサビも好きだけど、中盤過ぎた辺りのギターソロ付近からエンディングにかけての展開が大好き。
6曲目の"Bet It All On Black"
クリーンvoパートが無いです。ブレイクダウンパートはあるにせよ、こうした曲は本当にメロデス全開ですね。特にリフ回し、それと流麗なメロディ。同じ事は8曲目にも言えますね。
その他の曲も良曲が目白押しの傑作。
全曲サビがクリーンvoというわけではなく、クリーンvoを一切使わない曲があるのもいいです。どちらかというと、そうした曲の方がメロデス節全開だったりします。
メタルコア好きにもオススメできる名盤だが、中期のIn FlamesやSoilworkが好きだった人達にこそ薦めたい大傑作だ。絶対に買ってソンはしないと断言できる数少ない作品の一つ。
今年に発売されるという新作はどういった方向性になるか、今から楽しみです。
新voが同郷のメロデスバンドThe Red Shoreの人だから、もしかしたらもっとメロデス的になるかもしれない。まぁ、メインソングライターは変わってないので安心…なのかな?