フィラデルフィア出身のメタルコア・バンドが2008年に発表した1stアルバム。残念ながら2010年には解散していて、メンバーのその後の活動は不明。
音楽性はクサメタル風味増量系のメタルコア。たぶん、彼らなりの解釈で北欧クサメロデスっぽいエクストリームメタルをやってるんだと思う。なので、アメリカのメタルバンド特有の「○○を目指してたら●●になっちゃった」というジャンル曖昧(中途半端とも言う)な音楽性。その曖昧な面が極めて良い方向へ作用している好例。いや、マジでカッコイイんだよ、これが。
疾走系でスクリームvoをベースとして、クリーンvoのサビというメタルコアの王道。しかしながら、ハードコアからの影響というよりも新世代メロデス…特にスウェディッシュ系の方が大きい感じで、リフとかメロディはアメリカンというより若干欧州寄り。ブレイクダウンらしきパートも存在するが、ブレイクダウンと言うよりは単純に楽曲に起伏を持たせようとテンポダウンしただけという感じだ。
アルバムのベストと言えるのが4曲目のLost At Sea
ちょいとメロディック・メタルっぽいイントロが好きです。
そこから先は普通にメタルコア…なのだが、やっぱりメロデスっぽい雰囲気も。
Universumにクリーンvoパートを載せたらこうなるだろうな、という印象。
10曲目のOut Of Wordsもお気に入りの1曲。
新世代メロデスっぽいスクリーム・パートから、印象的に歌い上げるクリーンvoパート。約7分の大作で、疾走感は抜群、サビで落とす展開は俺好み。だが、本当の聴き所は2分50秒あたりからの静かに転調して再び盛り上がってエンディングへ至るドラマチックな展開。
もちろん、掴みの1曲目Bring The Lightも破壊力抜群。
イントロからただのメタルコア・バンドじゃないぞ!と宣言してるかのよう。
とにかく全編がメロディアス。ブレイクダウンらしきパートもメロディアス(笑)
ギターソロもメタルコアとは言えない自然さで導入している。
うーん、どう考えても新世代メロデスやろうとしてメタルコアになったようにしか聴こえない。
ツインギターのバンドで、リードは絶えずメロディアスに弾きまくり。こうした系統では珍しくギターソロもほぼ全曲でやってる。
近いと言えばUniversumとかSonic Syndicate、Wasteland Discothequeの頃のRaunchyとかだろうな。ただ、決定的に違うのは、Bloodstained Memoryというバンドがアメリカのバンドだということだ。やっぱり、アメリカという風土がメロディアスに徹しようとしてもそれを許さないのかなぁ、という感じだ。
ちょっと異色なメタルコア・バンド。
ホントに解散が惜しまれる。