ドイツ出身のメタルコア・バンドの2006年発売2nd。
音楽性は同郷のHeaven Shall Burnと同じ。…と、3rdのレビューの時にも書いたな(笑。それくらいヘヴシャルそのまんまだ。ヘヴシャルしか知らん人にコレを聴かせたら、ヘヴシャルの未発表音源集と思うこと確実なくらい。
なので『パクリはダメ』って人にはオススメ出来ない(笑。パクリWelcomeな俺としては、メロデス好きも手伝ってドンと来いな逸品だけどね。
ヘヴシャルと同じながらもこのバンドのカラーとしては"叙情性"というのが挙げられるだろう。ゴリゴリ"漢"メタルコアをベースにスウェディッシュ・メロデスの風味を隠し味として効かせたような音楽性だ。
2曲目のタイトル・トラック、Let The Tempest Come
前半はガツガツと刻まれるリフが特徴の楽曲だが、中盤以降のGソロを含めた展開はメロディック・デスメタル的で、俺的オススメ・ポイントだ。
3曲目のPlagueheritage
メタルコアというより、スウェディッシュ・デス/ブラックばりのブラスト・ビートを伴った爆走が堪能出来る楽曲。ギターの兄ちゃんが元デス/グラインド系のバンドに在籍してたらしいんで、その名残りも感じられるな。
叙情的なリードも見受けられて、爆走一辺倒でないのも良い。
6曲目のDesecrators
これもスウェディッシュ・デスメタル的楽曲。一時期のIn Flames臭あり。もちろんメロデス好きな俺にはド真ん中ストライクの楽曲だ。
楽曲の勢いはアルバム中一番と言ってもいい。
ただ、ベースはいいだけにもう少しメロディにフックがあればなぁ。
ヘヴシャルのパクリと言われ、オリジナリティが無いと各所で叩きまくられてる彼ら。3rdのレビュー時にも同じ事を言ったわけだが、この世の中にどれだけオリジナルな音楽をやってるバンドがいるっていうんだ?
2000年代、最早そんなメタル・バンドは存在しないだろ?
それにさ。
いい音楽ってのは、パクリかどうかじゃないと思うんだよ。
ヘヴシャルのメンバーもこいつらの音楽は認めてるんだしね。
総じて、ヘヴシャルよりは楽曲はドラマチックなタイプが多い。
ベースはあくまでもゴリゴリ系メタルコアなのだが、At The Gatesタイプのメロデスというかデスラッシュ的な作風が持ち味で、ヘヴシャル激似と叩くよりもメタルコア化したAt The Gatesとして紹介した方が良さそうだ。
1st~3rdまで不変の音楽性も信念が感じられてよろしい。
2009.01.20初出