スペイン産メロディック・ハードコアバンド、2012年リリース1stアルバム…だと思う。
ローカルなインディーズバンドなので情報は公式Facebookくらいしかないのだが、このアルバム自体もリリースとは言っても発売ではなくレコード会社への売り込み用に作ったデモ音源集みたいなもの。
音楽性は本人達の自称によるとデスコア/デスメタル/ハードコアらしいのだが、硬質で重めな方向へ振っているもののメロディアスさが相当に勝ったサウンドからすれば、実際のところはメロディック・デスメタルとメタルコアの融合型…現代的なモダンメロデス/メタルコアと言っていいのかもしれない。少なくともデスコアやデスメタルほどブルータリティが先鋭化していないし、そこまで重く激しいサウンドでもない。
ベースとなっているのは疾走型メタルコアで、の疾走感に関しては一部でブラストビートを取り入れたりしているほど疾走度は全体的に高い。スペインのエクストリーム系メタルはサウンド的にイタリア型なので、メタルコアと言ってもメロデスを融合したような音楽性。リズムなどのバッキング系はメタルコア的なグルーヴ感を出した場面も見られるし、メロデス的なメロディアスなリフを伴った疾走を見せる場面もある。
バンドのアピールポイントとしては、そうした硬質な現代的メタルコアに叙情メロディを盛り込んだことだろう。最近ではLullabies To Dieと方向性が似ているかもしれない。ただ、こちらの方はクリーンvoを一部で盛り込んでいるにも関わらず、Lullabies To Dieとは違ってメロデス的な影響も見られるけれど。
ちなみに、スペイン語で歌われてますね。独特な節回しが特徴的。
El camino del Oriente
この曲を聴くとLullabies To Dieが頭をよぎる。それくらい叙情メロディが秀逸。極悪な落とし込み方をするブレイクダウンと疾走するメロディの対比がカッコよすぎる。ノーマルvoは入ってるけどコーラス程度。
Te vere en el invierno
これは疾走というか爆走だね。そこに盛り込まれる叙情的なメロディがいいね。ブレイクダウンの見せ方は芸が無いけど、その後のメロウながら疾走するパートとエンディングの処理で帳消しとしておく。
Maniac
カバーされまくっている曲ですが、このバンドは徹底してハードコアスタイルでカバーしましたね。なんかハードコア・パンクっぽい曲調になってるのが面白い。悪くないカバーだと思いますね。
かなりよく出来たメロディック・ハードコアアルバムだと思いますね。
ただ、突き抜けたところ…いわゆる"フック"が足りないかな、とは思う。エッジの立ったソリッドなサウンドは魅力的だし、ギターの繰り出す叙情メロディも効果的に使われている。キラリと輝く曲は数曲あっても、それが全曲で見られるわけではないし、輝いている曲にかんしても何か物足りなさが残るのも事実。
しかし、センスの良さは随所に感じられるので先が楽しみなバンドだとは思いますね。
このアルバム、無料でダウンロード可能になってますので是非DLしてくださいね。
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