米マサチューセッツ出身のテクニカル系メタルコア/デスコアバンドの2010年発売2ndフル。
シュラプネル系のシュレッド・ギターがピロピロ音を奏でているが、その変則的でブレイクしまくるリフの刻み、流麗ながらもトリッキーなフレーズを多用するメロディ、転調&変拍子しまくりのリズム隊、カオティックコアほど変態的ではないが、それでも行き先不明系の読めない展開。
プログレッシブ系のメタルコア/デスコアながらメロディがしっかりとしており、変拍子や転調も展開に起伏を満たせるための演出と言える感じなので、比較的聴きやすい方ではないかと思う。
いやー、凄いです。ギターが縦横無尽に…というか、マイワールド的に我が物顔で楽曲内を文字通り暴れまくりです。テクニカルでメロディックなんだが、飛び出すフレーズは一般人の予測する斜め上のあらぬ方向へ飛んでいく。いや、飛ぶかと思えばブレイクだ。アホすぎる(笑。
そんなわけなので、基本的にアグレッシブに疾走するスタイルなのだが、リズム複雑だし、リフはアホだし、メロディはマイワールドなので、ノリをつかむのはほぼ不可能。
voはクリーン無しのグロウル一本という男っぷり。
まぁ、何と言っても2曲目の"Versus"がカッコイイです。
スウェディッシュなメロデススタイルの叙情フレーズとトリッキーな変態フレーズを同居させたり、ブレイクダウンで変拍子を多用するという荒業が素敵すぎます♪
これだけのテクニカル系バンドなので、もちろんギターソロも完備。
5曲目の"Invade"
リズム隊がムチャクチャすぎて、逆にギターは大人しめに聴こえてしまう。いや、ギターは他の楽曲並みに"普通"(一般レベルではなく、このバンドとしては…という意味)にやっているので、フレーズはそれなりに変態的。でもなぜかメロディアス。特に疾走するパートのギターが。
ネオクラ的フレーズさり気なく使っているのもポイントかな。
8曲目の"Feast Or Famine"
このバンドにしては結構ストレートなメタルコア/デスコア楽曲。リズム系は変拍子を使いまくってはいるものの、他の楽曲に比べれば十分に常識の範囲内。ギターのフレーズも独特ではあるが、これもこのバンドにしては「ちょっと風変わりなメロディ」に聴こえる程度。
…って、これで"普通"とか"常識的"とか、どんだけ変態なんだよ!と(笑
音楽的にはSymphony Xがメタルコア化した感じがしないでもないが、メタルコア的音楽性で一番近いかなと感じるのはBorn Of Osirisなのかな。あとYour Memorialとか。
ハマれる人とそうでない人がハッキリと分かれてしまうと思うが、ハマれば抜け出せないほど一種独特でマイワールド的な音楽性。とにかく、ギターのフレーズが中毒性ありすぎる…
テクニカル系好きなら絶対に聴いておくべき名盤。