カリフォルニア出身のメタルコア・バンド、2006年発売2nd。
なぜかiTunes Storeでは1stアルバムは扱ってるんだよね。
As I Lay DiyngのvoがMetal Bladeと組んで立ち上げたレーベルの契約第一弾バンド…どうりで1stは別レーベルから発売なのね。
『愛は自殺で終わる』、なかなか素敵なバンド名だ。
音楽性はメタルコア。時折見せるネオクラ・コア(そんなジャンルねぇよ!)っぽいツインGの北欧メタル的なフレーズがかなり印象的で、Still Remainsの1stに近い叙情っぷりを振りまいている。
とにかく、ギタープレイがアツイアツイ!
ツインギターがハモリまくるわ、スウィープやタッピングの嵐だわ、メタルコアとは思えないピロピロ系ギターだわでかなり面白い。
ギターフレーズは完全に北欧メロデスの血統なんだよね。
voはシャウト系なので聴きやすい部類。ノーマルvoも(上手いとは言えないが)メタルコアにありがちな伸びやかタイプの声。ただし、ノーマルvoはあくまでもアクセント的にしか使ってない。
ドラムに関しては味も素っ気も無い打ち込みのような音だ。テクニックに詳しくないので下手とは言わんが、ドラムの音が終始一本調子なのは聴いててタルイ。
1曲目Cold Summer
メタルコアの枠から完全に外れたイントロのツインGのハモリで度肝抜かれること間違い無し。そりゃあもう、凄まじいインパクトだ。
これを聴けば、俺が"ネオクラ・コア"と言ってる意味も分かる。
楽曲は普通にメタルコアなんだけれども、このいい意味で空気の読めないGコンビが全編趣味丸出しでギターを弾きまくっている。
メタルコアの新境地開拓の名曲と言っていいかもしれない。
3曲目のOf Day Dream And Fantasy
ギター弾きまくりの楽曲なのは1曲目と同じ(まぁ、全曲だが)。
こちらは、より突進度の高いストレートな楽曲となっている。
ノーマルvoのパートもあり(ただし、あくまでアクセント)。
オーソドックスなメタルコア曲なのに、このGコンビの作り出すフレーズのおかげで北欧寄りな雰囲気が大量に放出されている。
バックで時折ピロピロしているGが(いい意味で)笑える。
5曲目のThe Black Art
これは全編オーソドックスなメタルコア曲だ。
まぁ、一部でギターがマモったり、ピロピロしているんだが(笑。
これだけギターをフューチャーしながら、実はギターソロを披露してるのはこの曲くらいだったりするのは面白い(何故だろう?)。
このギターソロがエモーショナル系だというのもいいね。
10曲目のSkate Junction
前半の空気読めない音色のギターサウンドが特徴だ(笑。
楽曲的には普通にメタルコア(ギターフレーズ以外は)。
この曲の聴き所は、中盤以降に疾走してノーマルvoをフューチャーするところだろう。これが、またかなり気持ちいいんだよね。
一番ノーマルvoが効果的に導入されている楽曲だとも言える。
このGコンビのアツさがこのバンドの持ち味なのは間違いない。Gフレーズはメロデスなのにリフの刻みはメタルコアという、一種独特の世界観を築き上げている。これは、かなり得難い個性だ。
特に1曲目のインパクトは圧倒的。
さて、すでに発売から2年以上。3rdは発売されるのだろうか?
2008.11.04初出