ハンガリー出身のメタルコア/ハードコアバンドの2009年リリース3rdフル。
同国のハードコア/パンクバンドであるNewbornの元メンバーが在籍。
ハンガリーとかメタル辺境地と侮るなかれ。凄まじいクオリティのメタリック・ハードコアをやっていて、十分にワールドワイドな活躍が出来るだけの実力を持っていた。全くもってマイナー臭さがしない。
初期の音楽性はハードコア・パンクっぽい部分と叙情的なメタルサウンドを兼ね備えた感じ。バックはパンキッシュなのに、メロディは叙情メタルだという(笑。何がしたいんだってくらい取り合わせが悪いはずなのに、これがクセになるほどカッコ良かった。確か、当時もそこそこ輸入盤市場で話題になったはず。
そして本作。全2作の音楽性を引き継ぐハードコアパンク的サウンドながらもパンク的な部分は若干減退して、よりメタリック・ハードコア的サウンドに寄っている。メタルコア的と言ってもいいかもしれない。
前のめりに疾走するファストな楽曲が主体で、そこにツインリードの叙情メロディが絡んでくる。初期においてはその叙情メロディもコテコテとは言わないまでもクサメロ方面だったが、本作においては叙情的メロディもかなり洗練されていて、かなり大物感のあるサウンドとなった。冷静にレビューしているが、この叙情メロを絡めての疾走はマジで感動モノ。ツインGがハモって怒涛のごとく泣きメロが襲ってくる状態。
強烈とまではいかないもののモッシュパートを搭載しているが、そのモッシュパートですらツインギターが印象的な叙情フレーズをぶちまける。全編で泣きメロ乱舞。とにかくツインGが全編で弾きまくり。
シンセ無し、ノーマルvo無しというのも男らしい。アルバム全編でずっとテンションは激高。
2曲目の"Like Sheep Led To Slaughter"
いきなりブラストビートでお出迎え(笑。全編が印象的なリフワークで支配されたまま疾走。テンション高め、かつ叙情メロディ多めという欲張りな内容。途中のモッシュパートがかなりイイ感じで響く。
3曲目"House Of The Dying Sun"
ツインリードのユニゾンが気持ちよすぎる。モッシュパートが気持ちいいのはこのバンドらしい部分。
9曲目"The Young And The Restless"
イントロから泣かせておきながら、そこからメタリックに転換、その後はもちろん疾走。元ハードコアパンクの血筋を引いてますからね。途中、何やらメロデスっぽいフレーズも飛び出したりして面白い。
非常に残念なのだが、このバンド2010年に解散してしまったんですよね。なので、これがラストアルバム。残念を通り越して悲しい…。メンバーが今何をやっているのかも不明。どこかでこのメンバーがこの音楽性を引き継ぐような形で活動してないかな…と思う今日この頃。ハンガリーではNewbornとこのバンドが双璧で、今後も超えることは出来ない壁となって立ちはだかるだろうな。それくらい異常にクオリティ高め。