アメリカ出身、メタルコアというよりメロディック・デスメタルに近いバンドが2006年に発売した1stをMetal Bladeで発売するにあたりリミックス&リマスターした2008年発売モノ。
音楽性はメタルコア<メロデスで、かつての北欧メロデスの巨人達の今の姿よりずっとメロディックだしデスっぽくもある。言うなれば、北欧メロデス勢が北欧に忘れてきたモノを、このバンドがわざわざアメリカから北欧へ取りに行ったような感じの音をしてる。
2006年に話題にもならなかったのは国内盤が無かったからだと思うが、国内盤の発売された2008年に大きな話題にならなかったのは何故なのか理解に苦しむほどクオリティは高い。
新世代メロデス、いわゆるエクストリーム系に属してると思うんだが、まず耳に飛び込んでくるのはアメリカ出身とは思えないシンフォニックなkeyの音色。リズムパターンもヨーロピアンな方向だし、クラシカルなGフレーズも飛び出したりして、徹底的に欧州型の音楽性だ。かなりのテクニシャン揃いだと思われるが、それが押し付けがましくないのもポイントが高いんじゃないかと思う。
voスタイルは、デス&クリーンの使い分け型。デス声の方は低音のデスっぽいタイプと高音のシャウト系、クリーンの方は伸びやかな爽快系の声。どちらも聴きやすいと思う。
1曲目The Author And The Architect
イントロのメロディと弾けっぷりにヤラレること確実。
楽曲の展開はスリリングで、ちょっとプログレッシブっぽいこともやっていたりする。
中盤以降の流れが大好きで、特に後半のGソロは俺好み。
この曲に限らず全体的に言えることだが、新世代エクストリーム・メタル勢の中ではStill Remainsの1stと同じ方向性で、欧州系のメロディラインと米系のメタルコア的要素が上手く融合している。
4曲目のThe Burden Of Eternity
この曲がアルバム中最大の見せ場かもしれない。
いきなり哀愁メロでスタートし、そこからシンフォニックなkeyを絡めて進行。
こうした大仰なところが欧州っぽい(笑。
めちゃめちゃ疾走ってわけではなく、軽く疾走したりエモーショナルになってみたり、緩急・静動の導入も実に上手い。全体的に激しい中に物悲しさがある。
間奏やGソロが長かったりするのも、モロに欧州型。
再発にあたっての新曲The Departure
新録の曲はデスっぽい曲だった(笑。
イントロの適度なクサさが欧州メロデスっぽくてGOODですね♪
サビは一転、爽やかに。これがまたクセになってしまう。
中盤過ぎのメチャメチャ長いGソロがカッコイイですよ。
言葉だけで伝えると、"基本デス声アグレッシブ系、サビはクリーンvoの爽やかorメロウ系"で、『ありがちなメタルコア系じゃん』となってしまうんだが、米産とは思えないメロディアスさとよりデスっぽいスタイル、どこかしらプログレッシブっぽい香りもあってかなり楽しめる。
Still Remainsの1stやSoilwork、Scar Symmetryあたりが好きなら是非!
2008.07.15初出