フィンランドのメロディック・デスメタルバンド、2010年リリース通算6枚目。
このバンドをこれまでレビューしないどころか話題にも挙げなかったのは嫌いだったからではなく、例によってメロデス界では有名なバンドであるからという理由だ。1stから6thに至るまで常に高いクオリティを維持出来ている数少ないメロデスバンドでもある。メンバーチェンジは頻繁だが現在も活動中である。
1stから5thまでの音楽性を総括するなら、初期Chilrdren Of Bodom系のメロデスに民謡的メロディを導入したファストでアグレッシブなサウンドといったところ。CoBほどスピード/パワーメタルに寄っているわけではなく、ブラックメタル的な音楽スタイルも時折見られた。そう考えるとCoBのフォロワーと見るのは正しい解釈ではなく、ファストでブルータルな楽曲の中にフォーキッシュなメロディを馴染ませるというKalmah独自のスタイルが確立されていたと思う。そうしたスタイルを崩さないブレない姿勢がKalmahだった。
そして本作6th。
1stから5thに至るまで全くスタイルを崩さなかったその頑なまでの古臭いフォーキッシュ・メロデスはここでも健在。変化も新機軸もあえて求めず、Kalmahらしいメロデスを高品質で披露している。徹頭徹尾ファストでアグレッシブ、メランコリックな叙情メロディを全編で撒き散らし、それをフォーキッシュに味付け。もちろん過去作同様にクラシカルなギタープレイもアホかというくらい投入されており聴き所は満載だ。
若干過去作よりもシンセが薄めかな、とは思う。その分シンプルに感じられ、ストレートにブルータリティが伝わってくる。ギタープレイもシンセが減少している分だけ冴え渡っており、エモーショナルでクラシカルなフレーズがより堪能できる作風となっている。また、ブラックメタル的な雰囲気もかつてより減少、よりオーソドックスなメロディック・デスメタル的サウンドになったのも本作の特徴と言えるかもしれない。
One Of Fail
イントロのキラキラシンセとギターがいい感じ。本編に入るといつになくアグレッシブに爆走。しっかりとサビのメロディが立っているのも好印象。中盤のギター&シンセのバトルっぽい展開がカッコイイね。
Swampwar
どこかで聴いたようなイントロだが…ww
フォーキッシュな雰囲気はほとんどなく、古い北欧メロデスの王道を行くようなサウンドだ。本作全体で見られるギターオリエンテッドな作風を最もよく表している。後半のギターソロが凄まじく長いのも特徴。
12 Gauge
イントロは1分近くもある静かなストリングスで幕を開け、そこからアグレッシブに転調。フォーキッシュなメロディがイイ味をだしつつ、リフ系はけっこうモダンだという面白い楽曲。ギターソロ短め(笑。
たぶん、1st~5thのレビューもほとんどコピペで対応可能という本作のサウンド。
メロデス好きなら避けては通れないサウンドだが、1st~本作のどれか1枚でも聴けばKalmahの全てが分かってしまうという困った側面もある(笑。それほど変化はないし、安心・安定の1枚でもある。
なので、今後も音楽的変化が無いようならKlamahのレビューはしません。