Occult Medicine/Yyrkoon

フランス出身のメロディック・デスメタル・バンドYyrkoon(イイルクーンと読む)が、少しばかり音楽性を変更して2004年に発売した2ndアルバム。
前作より大幅にブルータルで重厚なサウンドとなっている。

フランス出身ということで、音楽性が一筋縄では行かないのは予想通り…なのだが、デスラッシュ的なアグレッションを前面に押し出しつつ演奏自体はテクニカル系のデスメタルを感じさせたり、Gソロあたりは泣きのフレーズがバンバン登場したり、何かに似ているようで結構何にも似ていない個性的な音楽性を持っている…前作までは普通にデスラッシュな感じだったけど。
シンフォニックな部分は皆無と言っていい。その代わりと言っちゃ何だが、ギターに関してはテクニカルなリフやエモーショナルなリードを聴かせる。特にそのリフは構成が複雑すぎて笑える。ドラムの方もそのギタープレイに負けず劣らずテクニカルでパワフルなプレイが光る。まぁ、それもそのはずで、ドラマーはDirk Verbeuren(Soilwork)が助っ人で参加しているのだ。
voは低音のヤクザ系デス声。これがまたいい声してるんだわ。個人的には、ギャンギャン喚き声系の絶叫デスvoよりはこういう方が好きだし。

 

5曲目のOccult Medicine
アルバム中で唯一と言っていい、シンフォニックなイントロを持つ楽曲。アルバム中最長の約7分の楽曲だが、前半1分ほどがそのシンフォニックな部分。それを超えるとこのバンドらしい、テクニカル・デスラッシュ的な攻めの楽曲へ変貌する。
…と言っても、ミドルテンポな楽曲なので爆走ってわけではない。

 

7曲目のReversed World
ブラックメタル的(シンフォニックではない)なノリのイントロから、テクニカルでありながら耳残りのいいリフを持つ本編、その合間合間に泣きのギターが場違い的に炸裂する展開は、このバンドの何たるかを如実に表している。
コーラスにアクセント的なクリーンvoを使っている。
終始アグレッシブに爆走・突進していく曲調が気持ちいいね。
このギターフレーズに悶絶すること間違い無しの1曲。

 

8曲目のTrapped Into Life
アルバム中では比較的に分かりやすいデスラッシュ曲。と言っても一本調子というわけではなく、テクニカルな味付けを最小限に押しとどめてアグレッションをストレートに押し出したという感じ。もちろんギターフレーズは、リフ・リード共に光るプレイで、特に リードの泣き具合は必聴と言っていい。

アルバムは全体的にハイクオリティで、個性的でもある。が、楽曲の幅はそれほど広くは無く、一聴するとどれも似た感じに聴こえてしまうのは痛い。
voも含めて演奏自体は相当なハイレベルで、テクニカル系のノリを見せるのも頷ける(ドラマーはこのアルバムでは助っ人だったが、後に別のメンバーが加入した)。特にギタープレイに関しては、この筋でもトップレベルかと。
デスラッシュ系が好きな人は聴いておいた方がいいと思う。

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