Pretend Or Surrender/Lovex

もはや世界有数のHR&HM輸出超黒字国として有名なフィンランド発イケメン6人組、軽めなゴシック系?バンドの2008年発売2nd。
ただ見てくれがいいだけのバンドだと思ってスルーするつもりだったんだが、どこ かしらBullet For My Valentineな雰囲気のバンド・フォトに「そっち方面だったらいいな」と期待しつつも、「どうせ悪い兄ちゃん風に見せて、実はバリバリいい兄ちゃん なんだろ」と思いながら購入。そんなこんなで、1stをスルーしたことを思い出した。
いや、マジで侮ってたよ、Lovex
まぁ、1st方面のジャケ写だったら買ってなかったな。
(このアルバム気に入ったんで、1stもゲットした…遅っ!)
当てにならない、俺の直感。
ただし、Bullet For My Valentineな音楽性ではなかった。

Lovexなんて、どこかのイメクラ風なバンド名はどうかと思うが、おそらく同郷のHIMに激しくLoveなのだろう。音楽性は軽くそっち方面ではあるが、そこまで重くはないしゴス系特有の深刻さもほとんど感じられない。正に、軽ゴス系ラウド・ロックといった感じ。
意外と真面目にロックしてるので驚いた
もっとvoメインの歌謡系ハードロックかと思った。
楽曲的にはミドル~スローなものがほとんどで、疾走曲はいくつもありません。ノリノリ系を期待してるならパスした方が無難。

1曲目If She's Nearの映画サントラ風なスリリングで大仰なイントロに軽く驚いたが、本編が始まってしまえばHIM Love全開だ。
これが妙に耳当たりのいい曲で、これでLovexにハマった。
俺みたいなエセ・ゴシッカーなヤツにはこれぐらいで丁度いい。

3・5・10曲目あたりにノリの良い方向へ振っている楽曲もあるにはあるんだが、ノリとしては1stで見られたパターンとも若干違うし、決して疾走してるわけでもないし、アグレッシヴでもない。
それに、こうした楽曲は2ndの中ではかなり異質。
全体的にどの曲も疾走しない代わりに、keyやGリフなども含めてスリリングな雰囲気を醸し出して楽曲をドライブさせているようだ。
10曲目が一番いいかもしれない…完全に無駄なGソロ以外は!

4曲目Different Lightのメランコリック系なサビは、そういう展開になるとは予測出来なかっただけに、なかなか良かった。

全体的に、ダークな色合いを持ってきたのがいいですね。1stの方向性だと、決して悪くはなかったんですけどあまりにも普通のロックすぎて耳を通過してしまう。「いいね」で終わっちゃう。
それと、抑揚が無いにも関わらず妙にポップでキャッチー、更に深刻さは皆無という声質のvoは、実は希有な存在なんじゃないか。

それでも、パクリっちゃあパクリ。HIMの。ただ、このvoからすればこの路線変更は正解なんじゃないか、と思う。軽めHIMっぽくありながらキャッチーというこの路線を極めたら面白い。

 

2008.05.28初出

Pretend or Surrender - ラヴX

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