フィンランド出身のメロディック・デスメタルと思ってたら、どうやらシンフォニック・ブラックメタルらしいバンドの2004年発売1stで、上ジャケ絵はUS盤、ジャケ絵違いのUK盤もあり。
ちなみに、同じフィンランド出身のDeathchainというデスラッシュ・バンドのベーシストKuolioは、このバンドではvoをやっている。
音楽性はメロディック(シンフォニック)・デスメタルと言っていいくらいで、ブラックメタル的な感じで考えるならDimmu Borgirに似てなくもないが、一番似ていると言えばmyGrainではないかと。
この際、メロデスってことで話を進めていきますので。
まず一番印象的なのがkeyの大活躍度。シンフォ系の荘厳な音色やメロディは当然として、それと同じくらいの比率でサイバーちっくな音色が導入されている のがポイント。それでいて、モダンになりすぎない程度にモダンで、一種独特、不思議な雰囲気のメロデスに仕上がっている。ブラスト突進型ではないけど、2 バスは気持ち良いね。
voはブラックメタルっぽいかもしれないけど、ごくたまにデジタル処理された声が使われたり、クリーンvoも少々導入されている。
個人的には全曲iTunes的5つ★なんですよね。
1曲目Conjuration。
イントロは荘厳なkeyの音色から始まる。
なのに本編では、シンフォ系の音とサイバーな音が乱舞。この場違い感テンコ盛りのメロディにやられちゃった自分(笑。
Gは若干モダンなリフを刻んだりしてるし。
独特の空間美。
3曲目のHuman Sculptureは、完全サイバー方面の楽曲。
最初から最後までkeyはピコピコ系の音を発して疾走。時折、思い出したかのように怪しい雰囲気のkeyメロを奏でたりする。
で、この曲にクリーンvoが導入されてたりするわけだな。
4曲目も同系統のサイバー曲Designed For Blood。
keyはスペーシーに鳴り響いたり、ゴス系な音を奏でたり。このkey奏者のセンスといったら、メロデス界でもトップクラスかと。
7曲目Extreme Form Of Hatred。
メランコリックで荘厳なkeyの音色で泣きそうになる。
Gリフなんて単純だし、そのあたりのメロディに特筆する部分はないんだけど、とにかくkeyのメロディが素晴らしすぎるんだよ。
keyリフっていうのかな?それがずっと頭の中に残る。
そうそう、この曲はサイバーちっくなkeyは無しの曲です。
8曲目のDemonizedは、結構真っ当なメロデス曲。
それでもバックにはスペーシーなkeyは鳴ってるんだが、これまでの楽曲とはちょっと違って、そこまでピコピコしてないです。どっちかというとシンフォっぽい音色の方が強いんじゃないかと思う、
まぁ、中間部に不思議なkeyの音色を織り交ぜたりしてますが、
それ以上に、この曲では珍しくブラスト使ったりしてる。
楽曲の構成も緩急を織り交ぜたりしてドラマチックで、7曲目とこの曲がアルバム中で1・2を争う楽曲なんじゃないかと思う。
かなり実験的な内容のメロデスなので、嫌いな人はとことん受け入れられないでしょうが、好きな人はとことん好きになると思う。
聴きやすいメロデスなのは確かだけど、おそらくこのkeyのセンスを好きになれるかどうかが、このバンドのカギとなるんじゃないか。
個人的には猛烈にオススメのバンドなんですけどね。
2008.08.20初出