Black Wings Of Destiny/Dragonlord

TestamentのEric PetersonがCradle Of FilthやDimmu Borgirなどのシンフォニック・ブラックメタル勢に影響を受けた末、自己の創作意欲を満たすために結成したプロジェクト。
2005年発売の2ndアルバム。
まぁ、このパターンは大抵の場合はマズイ方向へ行くもんだが、そこはそれEric Petersonはやはり只者ではなかったということだ。
王道スラッシャーTestamentからイメージすると、横っ面をぶん殴られたような衝撃を受けること確実です。というか、そのイメージは聞かなかったことにして忘れておきましょう。
スラッシュ系で一番好きなバンドがTestamentなのでそちら方面でも全然構わなかったんだが、これはとんでもない化け方してた。
音楽性はシンフォニックなデスラッシュ的であったり、ブラックメタル的であったりします。
全然アメリカンではない。初めて聴かされた日には、良質な北欧系シンフォニック・ブラックメタルと信じて疑わないだろう。

何といっても、2曲目のThe Curse Of Woe。
1曲目のダークなイントロ曲The Becoming Ofから連なる楽曲だが、この本編のイントロの煽り方は最強(最凶・最狂?)だ。
暴虐なブラストビートの炸裂っぷりも強烈でありながら、片や冷徹で優美なシンフォニック・アレンジが絶妙でもあるという、自分でも何を言いたいんだか分からなくなる複雑な楽曲構成。
それをドラマチックだと感じてしまう自分の感性。
メランコリックなkeyの導入も素敵だ。

こうした作風は、全体を通して一貫している。
だから、全然Testamentじゃない。

難点を言えば、10曲中2曲がカバー曲で、1曲目は小イントロなので、実質7曲しか聴きどころがないという点かな。まぁ、とりあえず集めました的楽曲がない(捨て曲がない)のはいいところだけど。

基本的に自分は、デスラッシュというジャンルがあまり好きではないのは以前にも述べたと思う。だが、こうしたゴリゴリではないメロディックなデスラッシュはいいもんだ。
また、「こんなの本物のブラックメタルじゃねぇよ」と言われればそっち方面に疎い自分は「あぁ、そうなんだ」と納得してしまうが、まぁそれも別に本物じゃなくてもいいや。

ブラックメタル系やデスラッシュ系初心者にオススメ。

 

Black Wings of Destiny - Dragonlord

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