Wasteland Discotheque/Raunchy

デンマーク出身のエクストリーム・メタル・バンド、2008年発売4th。

公式には"フューチャー・ハイブリッド・メタル"と呼ばれているが、エクストリーム・メタル…メロデス寄りの欧州メタルコアと言った方が分かりやすいかもしれない。
ちなみに、デンマーク初のNUCLEAR BLAST契約バンド。1stアルバムはそこで発売しているので、期待の高さは相当だったのだろう。

 

日本デビューは2006年発売の前作"Death Pop Romance"だが、メロディック・デスメタル由来のアグレッシヴさにポップでキャッチーなメロディを導入した、正にデスでポップな名盤だった。
2007年発売のVelvet Noiseは、恐らく2003年発売の1stをリ・レコーディングしたものだと思われるが、その肝心の1stを持ってないので本当のところは分からない。
そこから考えるに、初期の方がかなりヘヴィ(というかデスっぽい)だった感じ。2ndあたりで現在のスタンスを確立。3rdで開花したんじゃないかな。

 

さて本作。
前作の方向性を継承しているのだが、明らかに前作よりもアグレッシヴな方向へ振っている。つまり、かなりメロデスちっくだ。もちろん、お得意のメロウでキャッチーなメロディも満載。
似ていると言えば、同郷のMercenaryがその筆頭だろう。
まぁ、そりゃあそうだわな。プロデューサー同じだし。
でも、voのシャウト具合も似てるんだよね(笑。

 

一番気に入った曲は、9曲目のA Heavy Burdenだ。

シリアスなGメロからスタートするのだが、すぐに疾走メロが被さっていい感じに弾ける。フューチャー・ハイブリット・メタルと称するからには、こうした方向性が本線なんじゃないか。
疾走するサビのキャッチーさには鳥肌確実。
別にそんなに大したことをしてる曲ではないんだが、普通にアグレッシヴだし、普通にポップでキャッチー、ちょっと切なげなメロディが炸裂してる。

 

5曲目のWarriors

サビ以外はRaunchy的には本線とは言えないかな。
本編は中期頃のIn Flamesを思わせる楽曲で、 サビは当然のようにポップでキャッチー…スクリーモっぽいと言えばいいかな。楽曲の流れの中に自然に溶け込んでいるのがまた素晴らしい。
後半にイントロ部分がリフレインしてるのも好きだ。

 

2曲目のSomewhere Along The Road

今回のアルバムを象徴するような楽曲で、デス声(というかシャウト系)を前面に押し出して、クリーンvoはかなり控えめ。…とはいえ、一番Raunchyらしいかも。
サビメロのキャッチーさは、さすがRaunchyといったところ。
メインvoはデス系なのに、バックコーラスはクリーンvoという(笑。

 

メロデスちっくなアグレッシヴ曲Straight To Hellもなかなか。
この曲はクリーンvoがあまり目立たないんだよね。
ちなみに、頼みのYouTubeでは見つからず…

 

待ちに待っただけあり、かなりの良盤。
ただし、かの3rd"Death Pop Romance"で一度開花したデス・ポップからは少し後退(なのか?)して、メタルコアっぽくなった。その分、ツインGを生かしたギターリフは本作の方が良質だ。

 

RaunchyとMercenary。
同郷の同質バンドが、同じ年に強力盤を発表するんだから。

2008年はデンマークが熱かった!

 

2008.09.09初出

Wasteland Discotheque - Raunchy

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