英国ウェールズ出身のラウドメタル/モダンメタルバンドが2005年にリリースしたデビューアルバム。
すでにメタルモンスターと言っていい存在で、メタル系を聴く者でこの名を知らぬ人は誰一人としていないと思われるバンド。今の今までこのバンドを紹介していなかったのは別に嫌いだからではではなく、みんな知ってるが故にわざわざ当サイトでレビューするまでもなかったからです。ハッキリ言って好きです。
では逆に、なぜ今回レビューする事にしたのかというと…
このサイトのレビュー数200件を記念して!…ということです
さて、このアルバムは問答無用の神盤です。おわり。
もうその一言で締めくくっていいほど語るべきものはありません。モンスターです。
まぁ、それでは記念のレビューにもならないので真面目に語っていこうと思います。
音楽性はラウドロックから派生して様々なメタル要素を取り込んだ作風。"コレ"といった明確に言い切れる音楽的なジャンルは無く、かえってそれが王道的なメタルファンやメタルコア/スクリーモ/ポストハードコアファン、メロデスやハードコアファンといった幅広いメタルフリークに訴求する要因になったように思う。
だが、個人的にはハードコア・パンク的なサウンドだな、と思った(本人達は意識していないと思うけど)。そこにブリティッシュ・メタル的な憂いのあるメロディを注入したのがこのアルバムのサウンド。精神的な面では、ちょうどパンクムーブメントが終わって英国にNWOBHMムーブメントが起こったように、このバンドを契機として新たな英国的ヘヴィメタルが幕を開けることとなった画期的アルバムとも言えるだろう。
何かの音楽ジャンルに突出して寄ることもなく、様々な音楽を吸収した上でバランスよく融合したことで独自の立ち位置を確立できたのは面白いと思う。強烈な音楽的個性をもって支配を固めるバンドが多い中、特にそうした部分を強調せずに自らの音楽的感性で良質な曲のみを作り出すことで怪物化した希有なバンド。
そう、何が素晴らしいと言えばバンドの作り上げる楽曲なのだ。
本来、アーティストというものは音楽面やヴィジュアルの個性を主張したりテクニックを披露してナンボではなく、いかに良い曲を生み出すかによって評価されて然るべきなのだ。そテクニック的には平凡だし、音楽面での新機軸があるわけでもない。だが、このバンドは純粋に楽曲の良さで勝負しているように思うのだ。
アルバム的には全曲が名曲といっていい作品。これでデビューアルバムなのだから怪物。
"Tears Don't Fall"
基本はメロウでありながらアグレッシブにも展開。こういうメロディック・メタル的楽曲は大好物です。中盤からギターソロと共に盛り上がるところがポイント高いかな。1stでこれをやったらヤバいだろ…
"Suffocating Under Words Of Sorrow (What Can I Do)"
ドライヴ感のあるオーセンティックなメタルサウンドが魅力。特に何が凄いってわけでもなく、単純に曲のカッコよさが凄いと思う。ギターソロの早弾き部分がバタバタしてて笑えるポイントもあるがww
"10 Years Today"
楽曲的にはブレット節全開なんだが、サビメロのメロディアスさ…というかほのかな切なさが反則的。サビメロのキャッチーさはアルバム随一だろう。新たなブリティッシュ・メタルを開拓したなぁ、という感じ。
"The End"
この曲での締めくくりは完璧すぎる。アルバム全体のビジョンをこうして完璧に纏め上げるのも新人としては規格外だし、それがモンスター化した要因でもあるだろうね。メロウに徹するのかと思いきや、しっかりとヘヴィなパートもアクセント的に隠されているのも凄い。中盤のメタリックパートは聞き覚えが…w
10年に1枚の名盤というより、英国メタル界の歴史に残る傑作と言っていいと思う。
個人的にもこのアルバムは神盤だと思うし、今後も外せない一枚だ。
好き・嫌いに関わらず、現在、そして今後のメタルシーンを考える上で全てのメタルファンは聴いておくべき必要がある。メタル界のマイルストーン。何十年先、メイデン/プリーストと並び称されるブリティッシュ・メタルバンドとして君臨しているだろうバンドの最高傑作がこれ。2nd、3rdよりまずはこれを聴け!
うん、ぶっちゃけ、2ndや3rdよりこのアルバムが好きなんだよね。
だから、ブレットのレビューはこのアルバムが最初で最後だよ、たぶんね(笑