アメリカ出身のエクストリーム・メタル/新世代スラッシュメタルバンドの2005年リリース2ndアルバム。
バンド結成は2000年頃。2003年のデモEPによってドイツの大手レーベルLifeforce Recordsと契約。10月には早くも1stアルバム"Ember To Inferno"をリリース(デモEPから4曲をリレコーディング)。更に翌2004年にはRoadrunner Recordsと契約し、2005年に本作をリリースして世界的に大成功を収める。
メンバーはvo&G他のMatt HeafyとDrumのTravis Smith以外は1stからチェンジしている。
まず最初に言っておくと、一部では"メタルコアバンド"と見られているが一般的なメタルコアの定義から見れば大きく外れているため、Bullet For My Valentineと同じくエクストリーム・メタルとしている。
音楽性で言えばメタルコアっぽいところはスクリームvoとノーマルvoを織り交ぜて展開しているという要素だけであって、メタルコア的なグルーヴ感があるわけでもブレイクダウンを導入しているわけでもなく、特にハードコア的な部分はどこにもない。メタルコア的という面で見れば1stの方はよりそれっぽかった。
本作のサウンド的にベースとなっているのは、オーセンティックなヘヴィメタル、あるいはスラッシュメタルといったところ。アグレッシブでスピーディー&ヘヴィなスラッシュメタル的スクリームvoパート、そこからメロウでキャッチーなノーマルvoを持つサビメロパートへ…というのが基本路線。自己主張バリバリのギターソロも当然のように導入。各所でMetallica的と言われているが、それ系スラッシュメタルに当時としてはモダンな要素とも言えるメタルコア的なもの…アグレッシブなパートからメロウなパートへの転換とか、スクリームvoとかを持ち込んだ感じ。古臭いというかオーセンティックなメタルの部分とモダンな要素をこれほど上手く馴染ませたのは素晴らしいと思う。それが"新世代"スラッシュメタルとよぶ一つの理由でもある。
ぶっちゃけ、vo的にはスクリームは節回しと声質にクセがあって個人的には好きじゃない。ノーマルvoはメタルコア的にありがちなハイトーン系甘メロウな声質ではなく、オーソドックスなジェイムズ・ヘッドフィールド系節回しのナチュラルな声質は評価したい部分。"Dying In Your
Arms"や"Departure"なんかはその声質が最大限に活かされている名曲だと思うし、他の曲でもメロウなサビメロによくマッチしている。
2012年現在のところ、Triviumの最高傑作と言える名盤中の名盤。
"メタルコア"とは呼べないが、メタルコア好きにも間違いなくアピール出来る。特に、ド直球メタルコアが少なくなり、メタルコアの中によりオーセンティックなヘヴィメタル的要素を持ち込んだバンドが現れている現在の流れの中では、この作品の持つ先進性が再びメタルシーンで脚光を浴びてもおかしくないと思える。
ちなみに、ボーナストラックを含む14曲入りのものがあるので、買うなら必ずソレにすること!
ボートラの"Washing Away Me In The Tides"が素晴らしすぎる良曲なので。