Architect Of Lies/Mercenary

デンマーク出身、2008年発売の5thフル・アルバム。

3rd"11 Dreams"、4th"The Hours That Remain"と着実な進化を見せて、Sentenced直系メランコリック・メタルを受け継いできた(そうじゃない曲も多々あったが)。
今作でもその激情・慟哭が堪能出来るかと思いきや、同じ様な方向性でありながら実は更なる進化を遂げたんじゃないかと思う仕上がりとなって帰ってきた。
かつてのMercenaryは、爆走チューンとメランコリック系チューンが別々の楽曲として存在していた。その中でも、爆走・疾走チューンに関してはMercenaryとしては異質の楽曲であった。
今作では、3rdでの"World Hate Center"、4thでの"Redefine Me"といった1stトラックの爆走チューンを前面に押し出しつつも、既に彼らのカラーでもあるSentenced系のメランコリーを楽曲内で混在させて きた。今まで、何故そうしなかったのか不思議だと思える。

ただし、前作までで見られたデスっぽさはもうありません。デス声も無いです(高音シャウト系の声は使っていますけど)。voが弱いのがこのバンドのネックといえばネック。
ただし、デス系では無くなったのに、前作までより遥かにアグレッシヴ!

もはや、デスである事を主張する必要も無くなったということか。
必要の無いデスvoを無理に導入しなかったのは大歓迎。

俺的には3曲目のEmbrace The Nothingが最強だ。

3rd収録"11 Dreams"、4th収録"My World Is Ending"といった楽曲に涙したクチならこの曲も感動必至だ。再びバケツの用意を! これぞ、正に慟哭のメランコリック・メタルだ。
サビの物悲しい美しさと言ったら…。 久々に鳥肌が立ったよ。
さすがMercenaryといった傑作。

 

ちなみに、5曲目Isolation (The Loneliness In December)

パワー・バラード的な楽曲で、メランコリック度はもちろん高い。
これも、Mercenaryではありそうでなかったパターンだ。

 

1曲目New Desireが、ちょっとしたニュー・アプローチ。

パワフルな疾走の後、ブリッジからサビにかけてメロウに展開。
Mercenaryのアグレッシブな面を強調しながら、サビにメロウなメロディを導入。

Sonic Syndicateあたりと同じアプローチの楽曲。

 

爆走・疾走チューンなら2曲目のBloodsong

これが3rd収録"World Hate Center"直系の楽曲。
ただし、メロディの構築具合は成長の跡が伺えます。
新世代エクストリーム・メタル系のお手本とも言うべき楽曲。

5thで、ついに北欧屈指のエクストリームメタル・バンドに躍り出たように感じる。
きっと、SentencedとSoilworkの中期が合体したらこんな楽曲が生まれていたんじゃないかと思うほどクオリティは高い。…何度も言うが、voはアレなんだが(笑。

 

2008年最強の1枚。

全北欧メタルファン必聴!

 

2008.05.10初出

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