Ecliptica/Sonata Arctica

フィンランド出身、記念すべきデビューアルバム。
海外では1999年発売だが、国内盤は2000年になってから。
確かIron Maidenのブルース・ディッキンソン復帰後の初アルバムが同時期に発売されたと思うんだが、それと同時購入してIron Maidenを俺の心から忘れさせてしまったというとんでもない記憶がある。
いや、マジで聴きまくった。この頃はコレしか聴いてないくらい。

音楽性を説明する必要はないと思うが、基本的にはメロディック・メタルである。メロスピ的な要素もありながらひたすら疾走というわけでもなく、パワメタ的なズンドコ一辺倒ってわけでもない。
本作ではメロディの美しさは言うに及ばず、メロスピ的疾走度とパワメタ的な力強さが絶妙に配合された歴史的名盤となっている。
実際、北欧メタルを聴いてる人でこのアルバムを聴いたことがないという人はいないんじゃないかと言えるほどの傑作であり、いわゆるひとつのマイルストーン的アルバムと言っても過言ではない。

このアルバムにおいて、6曲目のFullmoonは超名曲。個人的にではなく、メタル界統一の見解として、だ。
知らない人にどんな曲なのかを説明しようとしても、「いや、すごくいい曲だよ」くらいにしか説明のしようがない。
ホント、ベッタベタのメロディック・メタルだ。
凝った展開とか、予想外のメロディとか、凄まじいバカテクGソロとか、そんな要素は全くない。とにかく普通のメタル。
じゃあ、メロディが飛びぬけて美しいかといったら、実はそれほどでもない。たぶん、これ以上に美しい曲は無数にある。
全ての要素が完璧に調和している
普通であるが故に、ずっと記憶に残る名曲。
きっと、そういうことなのだと思う。
各楽器の入り方、転調の仕方、曲の隅々まで心に残っている。

他はFullmoonに比べたらオマケみたいなものだが、それはFullmoonが素晴らしすぎるからで、一般的に見たら凄く豪華なオマケだ。
1、2曲目の疾走も好きだし、4曲目のバラードReplicaも胸が締め付けられるような切なさがある。また、本編ラストの10曲目Destruction Preventerもいい曲なのだが、ちょっと凝りすぎた感はある。

デビューアルバムとしては破格の完成度で、今後のメロディック・メタル界を背負って立つとまで言われた。
まぁ、そう言われたほとんどのバンドは消えていくんだが。

Sonata Arcticaは違った。

 

2008.06.04初出

Ecliptica - ソナタ・アークティカ

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