Clown In The Mirror/Royal Hunt

デンマーク出身、様式美メタル・バンドの1993年発売2nd。
新作も発表されたが、近年のこのバンドを見ると才能の枯渇なのか自分自身の趣味趣向の問題なのか、いまいちピンとくるものがない。
そうして考えてみると、Royal Huntの名盤は何かと問われれば、迷うことなく2ndと3rdを挙げたくなる。懐古趣味と呼べばいいさ!

結成当初から今の今に至るまで、KeyのAndre Andersenのソロと言ってもいいような状態なので、このkey奏者の才能に全てがかかっている。その才能が解き放たれたのが、2nd及び3rdだったと思う。
パワーメタルではないオーセンティックなメロディック・メタルとしては、TNTやPretty Maidsなどの直系子孫とも言える。やってることはほとんど同じ。なのにそれで大成功を収められたのはAndre Andersenのメロディセンスがズバ抜けてたということだ。

いや、それはそれとしてこの2ndアルバム。
voが弱いと言われ3rdからD.C.Cooperにチェンジするのだが、この2ndのvoも決して悪くはなかったと思う。少し線が細いくらい。
何より楽曲が粒揃いで良かったのだが、極めつけはラストに収録されている叙情メタルの大傑作"Epilogue"だろう。
まず、イントロのピアノで泣ける。
楽曲の構成もドラマチックで、パワーバラード調のメロディから徐々に盛り上がって疾走するサビへの突入が感動的。
思わず一緒に歌いたくなるサビメロが秀逸。
しかし、何よりこの曲のハイライトはエンディングだ。
サビメロをスローにしつつ、ピアノの旋律で終わっていくという、CD全体を通して完璧にエンディングを表現したという意味でも最強。
昔、ウォークマン用のテープ作ってた時は、必ずこの曲をラストにしたっけなぁ、と妙に感慨に耽ることもできる。

1曲目のIntro~Wasted Timeも、荘厳なイントロから疾走していく展開で俺的に◎。様式美メタルのお手本だなぁ、と思ったのも今は昔。現在の感覚で改めて聴くとハード・ポップですね。

最近Royal Huntを知って『何だかつまらないなぁ』と思った方。
是非、2ndや3rdを聴いてみて下さい。

ちなみに、1sもいいよ。

 

2008.05.16初出

Clown In the Mirror - Royal Hunt

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