ノルウェー出身の、シンフォニック・デスなのか?、ブラックメタルなのか?、それともゴシックメタルなのか?とカテゴライズに迷うバンドの6年振りの3rd。2007年作。
1st・2nd共に日本盤は発売されており、この3rdは国内未発売。AVALON、国内盤出せよ!
音楽的路線としては、ゴシック/デス系と2ndをほぼ踏襲している。
北欧系のメロデスを想起させるデス声を伴ったメランコリックなメロディの炸裂度は前作を遥かに超越し、もはやこの手の音楽性ではEternal Tears Of Sorrowと並びトップクラスではないかと思う。
keyも相変わらず効果的に活躍しているのだが、その導入度合いは前作よりも少なくなっており、よりギターの比重が増しているのが特長。そのため、Gソロもかなり派手めに、効果的に使われている。
そうは言っても、アグレッシヴではあれメロデス的なブルータリティはほとんど…というか全く無く、実際はデス声を使ったメランコリック・メタルというのが正しい紹介の仕方なんじゃないかと思う。
1曲目のA Study of Love and Metaphors
イントロからラストまで、メランコリック・メロディの嵐!
前作よりも楽曲は起伏に富み、サビでは軽めの疾走もあり。
中盤すぎのGソロからメランコリック・パート、そしてイントロ・メロディのリフレインと女性コーラスの導入が印象的だ。
2曲目のX and Moments
イントロからパワーメタルばりのリフでノリノリのスタート。
サビでの女性コーラスなども聴き所ではあるんだが、この曲の最大の聴き所は中盤過ぎのGソロにあると言っても過言ではない。
ネオクラ系G並みの早弾きまで披露したりしているのだ。
…というか、こうしたGソロを導入した楽曲が本作は豊富なんだが。
7曲目のI Raise My Craving Hands
ノリノリ系のメロディック・メタル的楽曲。
アルバム中で最もKeyが大々的に導入されている楽曲だ。
途中で一旦スローに落としてメランコリックなパートを挟んでみたり、サビで疾走させてみたりと緩急の激しさも楽曲中随一だ。
中盤から先の展開が美しい。
ちなみに下記がオフィシャルHP扱いのMy Space
My Space - Enslavement Of Beauty
唯一の欠点を挙げるとすればこれまで同様voなのだが、その欠点すらも霞んでしまうほど素晴らしいメランコリック・メタルの名盤だ。
それと、相変わらず二人組なのは変わらんようだな(笑。
Eternal Tears Of Sorrowあたりが好きな人にオススメです。
これは、探してでも買いなさい!
2008.11.21初出